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インタビュー 20年を振り返って

  • 執筆者の写真: みんなの兄貴
    みんなの兄貴
  • 1 日前
  • 読了時間: 23分

更新日:13 時間前

20周年アニバーサリーの締め括りに、我がグリーン・ヒル吹奏楽団の団長に、演奏会に触れつつ20年を振り返ってもらいました。今回は対談形式で、インタビュアーにトランペットパートガネくんを指名。彼も学生時代からグリーン・ヒル吹奏楽団に在籍している古株で、GH愛にあふれた人物。そして、ライターとして私、みんなの兄貴も同席させていただきました。

“感謝”と“執着”をキーワードに、今まで知らなかった団長の想いが知れる対談となりました。



――では、よろしくお願いします。

ガネ:16年目のガネです。

団長:ああ、そんなもんか。当時は可愛かったんだよ。

ガネ:今も可愛いでしょ。昔からお世話になってる団員には「可愛いね〜」と言われていたのに、遂に「可愛かったのに」って言われるようになってショックなんですよ。

――今も可愛いよ(笑)

ガネ:(笑)はい、では気を取り直して……何点か、結構聞きたいことあるんですけど、順番に聞いていきますね。結成から20年経ちました。率直に感想を……20年やってみてどう思いますか?

団長:すごい、広い……。

ガネ:なんかありますでしょ、嬉しいとか。

団長:感情、では一言で表現できないから、まとめきれないからちょっと順番に話すと、大学時代で終わりかな~って思ってたの。

ガネ:ふ~ん?

団長:で、いざ大学を卒業してみたらN村もまだ近くにいて(岩見沢に)来れているし、俺も幸運にも岩見沢の臨時採用が続いて6年間。それが続いてる中で環境が変化しつつ、なにかすごいきっかけがあったかって言うわけじゃないんだけど……その中で、何がどうなっても続けてやろうって言う意志が生まれたのね。

ガネ:うん。

団長:で、紆余曲折……曲がってる部分は長かったんだけど、こうして演奏部スタート、役員がスタート、団員のみんなもものすごく積極的に活動してくれて、今年20年目。全道で漠然と取れるもんなんだな~と思っていた金賞をいただくことができたってことを考えると、単純に嬉しいより一番先立つのは“感謝”ありがとう、ってのが一番根幹にあるなって。

ガネ:みんなに感謝を伝えたいと。

団長:うん。

ガネ:ちょっとこれ後から聞こうと思ってたんですけど、団長個人に色々フォーカスをあてていきたいなと思ってて……今かけらが出て来たんで今聞いちゃいます。特にやめる、という理由はなかったから続けていたって言ってましたけど……グリーン・ヒル吹奏楽団で頑張って行こうとか、続けようって明確に思ったきっかけとか、瞬間とかありますか?

団長:バビっとこの時、って言う感じじゃなくて申し訳ないんだけど。大学時代に1か月ぐらい気持ちのコントロールが出来なくなって、練習に出ないってのが年に2回ぐらいあったのね。

ガネ:うん。

団長:今も波はあるんだけど、若さゆえの……不安定さ?(笑)

ガネ:うん、うん、わかるわかる、あるある(笑)

団長:で、その時に、俺がいなくてもN村が頑張って続けてて。指揮も運営もやって大変だし、ってのを見てて俺が事務的なことをやるね~って団長をやって、N村は指揮を、とやっていく中で責任感……悪い言い方をすると“執着”が芽生えたのね。N村はプレイに、こちらは裏方に集中してやって行かないといけないぞ!ってなって徐々に(続けようという気持ちが)育ったって感じ。

ガネ:そう、団長になった時、すごいはっきり覚えてるんですよ。ええ?!って思ったんですよ。副団長はやってはいたんですけど、当時ってN村さんの団だったんですよ。

団長:Nりんバンドね。

――N村さんが最初は団長も、指揮もやっていたと。

ガネ:N村さんと愉快な仲間たちみたいな(笑)だからちょっと不安だったんですよ。団長に、じゃなくてN村さんが一番上にいないことに。

団長:俺もあった。

――すみません、N村さんというワードが出過ぎているのでN村さんの説明をお願いします(笑)

団長:N村の説明?

(※N村さんは創立メンバーで、現在もグリーン・ヒルの指揮者。今は住まいが遠くなってしまってなかなか来れなくなってしまった)

ガネ:じゃあ、いつ出会ってとか?

団長:岩見沢教育大学に入った時に、北翔大学の短期を卒業して転入して来た一個上の先輩がN村。で、一年生の後期に岩見沢で俺がバイトを始めた関係で泊まりに行ったりとかしている内に彼が吹奏楽の人なんだと分かり、自分たちの目指す音楽を作りたいね~と話すようになり、授業でやっていたコントラバスを……。

ガネ:授業でやってたんだ?!はじめて聞いた。

団長:そもそももっと前段階があって、どうやら吹奏楽は楽器をどれか一個やる事になるらしいんだけど、N村にどれがいいと思う~?って聞いたら「それはもうコントラバスだろ!」って。よしじゃあそれにするか、って……だからコントラバスをはじめたきっかけもN村。

――じゃあ団長の吹奏楽の全ての始まりの人物なんですね。

団長:そう!だからN村と仲良くなってなかったら吹奏楽始めてないし、グリーン・ヒルはない。だから、どんなに……彼がどう思ってるかは分からないけど、他の人がN村を忘れても、N村の気持ちが離れてたとしても、俺はグリーン・ヒルでいつかもう一回引きずり込んで、アイツと一緒にグリーン・ヒルでやりたい。“執着”って、アイツがどんなにこれなくても(グリーンヒルを)なくさない、からはじまって……その中で大事なもの、支えてくれる団員もできて、みんなが満足できる団にしようって。それで最初の話に戻るけど“感謝”(に繋がる)。

ガネ:追加で聞くんですけど、団長の中でN村さんへの信頼とか、一緒にやりたい気持ちとかどこで芽生えたんですか?仲良かったからなのか、グリーン・ヒルでやりはじめてなのか……何かに尊敬できたりとか。

団長:俺とか今の指揮者陣が合奏を上手くしていこうとした時に、奏者が負の感情を抱きかねない表現ってどうしても出てくるじゃない?

ガネ:うん。

団長:それが必要でわざとやっていることもある。練習してって言い方はN村もするかもしれないし、もしくはそれが足りなくて当時は結果が出なかった可能性もあるんだけど……でも確実にN村が来たら合奏が良くなっていった。合奏の中でN村は奏者が嫌になる表現してたかなぁ、って。

ガネ:待って、一回反論するけど、別に団長の言い方とか悪いって思ってないですよ(笑)

団長:内容とかもね?含めて。

ガネ:内容とかもN村さんはいいってこと?

団長:N村が来た時はみんなプラスの感情を持って、「来てよかった合奏」ってなってた。彼が来ている間それがずっとあって積み重ねていたから、指揮者としての当時の信頼があったわけで。性格的なものもある。やつの心の広さはプラスにもマイナスにも振れ幅がデカすぎるんだけど、それは俺には確実にないもので。なんだろうね、尊敬とは違うかもだけど……プラス面であまりにも俺と違い過ぎて人間的に好き。その上で、団の活動、演奏活動を楽しくしてくれる力があるところ、が……根本かなぁ。

ガネ:でもなんか分かりますよ。そこに、ちょっと表現違うかもですけど憧れてるのがすごい分かる。普段の行動とか、そういう(N村さんみたいな)やり方したいんだな、って分かる。みんなに嫌な思いして欲しくなくて、楽しんで欲しくて、って分かる。そこで、じゃあ指揮者としてとか友人として見た積み重ねで、やっぱり一緒にやっていきたいと。

団長:うん。

ガネ:なるほどね。いい話聞いたなぁ。

団長:噛み合いがいいんだよね。

ガネ:ないところをフォロー出来てるんですよね?分かりますよ。そういう人いますよね。じゃあ次は……20年間やってきて一番印象に残った出来事はなんですか?

団長:プラス?マイナス?

ガネ:いやぁ、どうしよう(笑)どっちも聞きましょう。

団長:プラスは、端的に言うわ。兄貴の涙だね。

――……私なんだ?

ガネ:エルフゲン?(2023年コンクール曲『エルフゲンの叫び』)

団長:うん、あれ。

ガネ:あー、多田先生(多田宏江先生)の合奏指導受けた後のね。

――あの時びっくりしたんですよ。あまりに指揮が変わり過ぎて……良い方向に。吹いている間はそれにものすごく感動して、吹き終わって一瞬で色んなことがバーーーっと頭の中を駆け巡って号泣しちゃいました(笑)吹奏楽人生の中でも5本の指に入るぐらい印象深い、感動的な指揮でした。私はすごく思い入れある合奏になったんですけど、団長もそう思っててくれたんですね。

ガネ:確かにあれ、印象に残るわ。どう思いました?その時、その場で、兄貴さんが泣いてるの見て。良かったな~なのか。

団長:良かったな~、が一番かな。そこにたどり着いたのが自分の力じゃないから、俺頑張ったな、って言うよりは。

ガネ:安心した感じですか?そういう指揮ができて。

団長:……あんまり人生で安心感って感じたことなくて、安心って言うよりも、こういう風に学んでちゃんとやっていけば団員の満足に近づいていけるんだ、って指標が見えた。

ガネ:なるほどね。

団長:学んで表現しようとして、やった結果がそうやって人に喜んでもらえるところに辿り着けたはじめての出来事で、GHで。

ガネ:僕もうあの時みんなに言ってましたもん。団長が多田先生のレッスンに行ったから、ほんとに楽しみにしてて。絶対良いから、絶対来てって。(実際)すごく良かった、良い演奏できるって思った。

――あれは私以外の団員も印象的な出来事だったと思いますよ。

ガネ:みんなコントロール出来てなかったもん、自分の演奏を。もう暴発してた、みんなが。指揮に引っ張られ過ぎて。僕もそうだし……音、上に外してました。そのぐらい、確かに良かった。そこからスタートした、指揮者的な意味で。

団長:そうだよね、それまで棒っこ持ってる人だもんね~。

ガネ:そうじゃないけど(笑)え~この流れでマイナスなこと聞きたくないな、一応聞いておくか。

団長:(笑)マイナスねー……やっぱりしょうがないとは言え、退団者出るたびに凹むよね。

ガネ:あ~……。

団長:……退団者が出ると、凹みます。

ガネ:悲しい、それは分かります。……では、20年前に団を作ってその時から長い年月経ってますけど、なんか雰囲気とか演奏の仕方とかで変化って感じてます?20年いたからこそ思う……特に雰囲気聞きたいな。

団長:雰囲気ね~どうなんだろ、今年は割と雰囲気良く出来て。

ガネ:ふぅ~ん?

団長:割とね?なんだろうね、雰囲気って。

ガネ:良し悪しじゃなくても、例えば当初はどういう雰囲気でやってて、どうなっていったとか、今はその時と比べてどうとか。違いを感じるところがあれば。

団長:良いか悪いかは別として、奏者が演奏に対して思っていることを言う時間、空間、が多くなったよね。

ガネ:それって当初はあんまりそういう感じじゃなかった?

団長:いや、ゼロではなかったけど、方向性かな?あったとしても「N村どうなの?」「こうだよ」のやり取りで終わってたのが、「これでどうなんですか?」ってのが増えて……これ俺の所為な気がしてきた。

ガネ:んははは(笑)

団長:ここはこうじゃない?あーして、こーして、みたいな横同士の話が広がるようになった。これは良い面としてはそういうのを定まった時間で和気あいあいとやってくれればいいが、今は全体で進めるべき合奏ですよね、って時にそれが横行してしまうと時間が無駄になっていってしまうから。……指揮者側の問題だね、奏者じゃなくて。こっちがしっかりとやっていかなきゃいけないなーって。

ガネ:なんかずれたな、話。

団長:ずれたな。……音楽の話をしている人が増えた?

ガネ:当時の雰囲気があんまり伝わらないかも。あの頃は良かったのにな〜とかあるじゃないですか。

団長:ないな。

ガネ:あ、じゃあ逆は?今あっていいな〜は?

団長:ごめんね、雰囲気とかじゃないんだけど、俺の仕事量は減った。

ガネ:仕事ね(笑)色んな人がやってくれることとかが増えて?

団長:役員とか、係とか、色々考えてくれて。活動量に対して熱量が上がってるな〜っていう感じがするかな。

ガネ:まあまあ言いたいことは分かります。じゃあ長年活動してきて、色んな役割とか役職だったりが増えて、色んな人が協力的にやってくれている中で、そこにリーダーとして団長は立ってるじゃないですか?その団長としての役割ってどういう風に感じていて、どういう事を心掛けているとかあります?

団長:ノーって言わない事かな。

ガネ:心掛けとして?

団長:うん。全部いいよ、って言うんじゃなくて。

ガネ:一回受け取る、と。

団長:考えてくれてありがとう、から発信する。考えてくれたことに対して……やっぱりこれにまとまっちゃう、やっぱ最終的に“感謝”、に戻るんだよね。

ガネ:“感謝”を忘れずに、みんなの言葉に耳を傾けて、ってことですね。自分が団長の立ち位置に立っていることはどう思ってます?自分の立場について。

団長:すごい難しい……。

ガネ:何を考えながら団長をやっているか。

団長:いや~みんな楽しんで活動してくれるといいな~、って。

ガネ:それはまぁ、伝わってはいるかな。なるほどね……大変だ、とかではなく。

団長:大変は、別にない。それこそ子供が成人する年齢になるまでそこにいて、もう習慣だから。嫁は大変だな〜と思う(笑)申し訳ないなとは思うけど、こっちはもう当り前だから。ただ、別の人の方がGHこれから良くなるよって言うんだったら昔ほど固執する気持ちはなくなってる。

ガネ:ほお~、そうなんだ、へぇ。なんかそれが変わったきっかけは?

団長:回るんならいいんじゃない?って。

ガネ:じゃあ今まではどう思ってたんですか?思ってなかった?

団長:二年前ぐらいまでは回んないんじゃない?って思ってた。

ガネ:ふ~ん、なんか、信頼されてなかったんだ。※3年前からの新体制の初期メンバーで初代副団長

――あはははは(笑)※同じく3年前からの新体制の初期メンバーで初代副団長

団長:そういうことじゃなくて!

ガネ:んははは(笑)

団長:あの、実務的に、ほんと物理的に。それを言ったら今でも回るんじゃない?って言うけど、今団長降りたらたぶん次年度のCS文化祭(練習場所である中学校でのイベント)もなくなっちゃうし、だからまだ誰かやってーって言うつもりはないけど、本格的に回るようになったら別に俺である必要はないかなって。やめたいわけじゃないけど、それで円滑に幸せにGHが進められるのであれば。

ガネ:ふ~ん。そうなんだ。ふ~ん、はえ~。

団長:固執してると思った?

ガネ:いや?別に、やめて欲しいとかは思ってないですけど、別に団長がいなくてもやる事はいくらでもあるって、方法を知ってると思われていると思ってた。

団長:あ~!団運営自体はなると思ってる。ただ、岩見沢基盤として、って部分ではより引き継いでからじゃないと。

ガネ:まだお前らには無理だよ?って?

団長:こっちが渡してない情報が多いんじゃないかな。

ガネ:うーん掘り下げが難しいな……僕、団長が思ってるグリーン・ヒルの形があんまりよく分かってなくて。

団長:分かる!

ガネ:分かるんだ(笑)なんかどういう団を……グリーン・ヒルとはなんなのかみたいなのを、たぶん団長の中にあると思うんですけど、実は僕らはそれを明確に受け取ってなくて。なんて言うか、一緒に活動してる時間を共有している今、この、流れ?はもちろんグリーン・ヒルの一部なんですけど。

団長:うんうん。

ガネ:大元っていうか……何を大事にしてるか、どういう活動をグリーンヒルとして定義してるっていうか。それって実は団長と僕らであまり共有されてる感じがしない。それって悪い意味じゃなくて、僕らより深く考えていると思うから、それを本当はもうちょっとずつ教えて貰った方がいいんだろうな、って思うんですけど。

団長:メンヘラ彼女ぐらい重いよ。

ガネ:んはは(笑)

団長:わはははは(笑)

ガネ:そんな、気がした、今。執着とか言う言葉が出てくるぐらいだから。

団長:(グリーン・ヒルは)ライフワークなんだよ。

ガネ:じゃあ団長から(グリーン・ヒルを)切り離したら、生活が失われるから……それはつらいね。

――団長にとって人生なんですね。

ガネ:そう、人生!

団長:うん、切り離したからと言って死を選ぶわけではないけれど。

ガネ:きっと想像できないんでしょうね。想像できます?例えば、GH今から退団したとして。

団長:想像はね、実はできるさ。

ガネ:あ、そうなんだ。

団長:できるけど、なんだろうね……別人格になる。人間が変わる。

ガネ:あ〜なるほどね。

団長:そこまで想像できる。

ガネ:じゃあついでに聞くんですけど、やめたいと思ったことあります?

団長:やめたいと思ったこと?

ガネ:やめたいか、もうできない。

団長:もうできないかもは、ない。

ガネ:あ~ないんだ。

団長:やめたい、も……難しいな、しんどいな、はあった。

ガネ:それはいつ?

団長:そりゃ倶知安からきて嫁と2人で光陵使ってる時は疲れるな~とは思うよね。

ガネ:良かったあれ載せといて、メモリアルに。

団長:あはは(笑)

ガネ:追加してもらったんですよ、団長のこと載せて欲しいって言って。そうですよね、そりゃそうだ。それ聞いて僕も決意しました。グリーン・ヒルを復活させようと思って。ちょっと可哀想過ぎるって思って。

――やめたいとかじゃなくて虚無感ですよね。

ガネ:それちなみに、乗り越えました?その気持ちって。

団長:根本的な自分の性格として、途中で何かをやめるってことがすごく苦手なんだよね。だから、乗り越えたとかじゃなくて、2人だろうと、しんどかろうと、さっきも言った通り、続けてやるって決めたから……それを途中でやめられない。

ガネ:あ~。やめるという選択をしなかったんですね。とにかく頑張り続けた。まぁ、そうですね。でも間に合って良かったなって思いました。心が折れる前にどうにかしようと思ってたんで。なんか分かんないから、団長が「もうや~めた」ってなったら(グリーン・ヒルが)なくなるって思ってたから、それまでにどうにか、とは思っていたから。……この話もすると長くなるんだよなぁ。

団長:ははは(笑)

ガネ:せっかくつらめの話もしてたんで。他の人が練習来なくて、自分達だけだった時期が続いて……で、今。割と盛り上がってる時期になると思うんですけど、その時期を経て、どう思います?今振り返って、今どう変わってきたとか、どういうことがあってこうなったとか、変化について思うことはありますか?

団長:思うこと?

ガネ:あの時はつらかったけど……まぁ頑張って続けてきたから人が増えてきたわけで。当時はプラスになるか分からないでやってたけど、結果的にプラスになって、今は割と良い空気になって来てますけど、今思い返してみて当時のことをどう思うか。

団長:やってるつもりではあったんだけど、じゃあ人をどうやって集めるかとか結局当時はやってなかった。…気持ち、気持ちって言われると難しいな。俺、気持ちがないから。

ガネ:んはは(笑)

団長:何回か言ってるけど俺気持ちがない、っていうか機械人間だから。

ガネ:じゃあね~演奏のこと聞こうかな。今まで演奏した中で、これは本番やって良かった~って曲ありますか?自分が奏者でも指揮でもいいです。

団長:えっとね、いや~どの曲だったかな。間違いなく今回の定演の中で。

ガネ:おおお~。

団長:機械人間な俺がうるっと来そうになった曲があった。ただどの曲だったか……多田先生が振ってた曲だった。

ガネ:ロンドンデリー(『デリー地方のアイルランド民謡』)とかかなぁ、うるっときたなら。

団長:『オリエント急行』じゃない。それどころじゃなかったから。

ガネ:じゃあロンドンデリー。

団長:たぶんロンドンデリー。

ガネ:まぁ、良かったですもんね、ロンドンデリー。

団長:なんか、色々思った。

ガネ:(笑)思ったのね。何を思った?

団長:何を思った……どちらかというと懐古した。

ガネ:僕もすごい考えました、16年前来た時のこととか思い出して……ありがとう、ってなりましたよ。育ててもらったから。

団長:それが他の人の指揮だったことは非常に悔しくはある。

ガネ:ああ~……!

団長:となると、指揮者はやっぱりやりたいんだろうな、と再認識。

ガネ:あれじゃないですか?みんなの顔が見れるから好きなんじゃない?なんか、みんなのことを想えるって言うか、指揮振ってると。

団長:ああ、そう、それはあるかもね。

ガネ:スコア見てても思うじゃないですか、フルートだったらあの人と~あの人と~って考えるじゃないですか。特定の名前を思うとかじゃなくて団員の顔を思い浮かべたりするから。……なんかちょっと、今感動したな。

団長:え、どこ?!

ガネ:きっとなんかそうなんだろうなって、ロンドンデリーを選んだこと。と、悔しく思ってることと。聞けて良かったです。じゃあ、奏者でも指揮でもいいんですけど、一番苦労した曲

団長:苦労した曲か~……やっぱ指揮としてはドラゴン(2024年の定期演奏会のメイン曲『ドラゴンの年』)。あれはもうヤバい。

ガネ:何が大変でした?

団長:単純に難しいし、できる人の気持ちもできない人の気持ちも分かりかけて来てた時期で、アナタたちが言う「演奏会でやるんだからそこに間に合わせなきゃいけないんだ」っていうことも、分かる。が、「今の自分ではそこに及ばないかもしれない」という団員の気持ちも分かる。そのバランスを考えてどうするかな、っていうことで……指揮をしっかりするしか今はできない(となった)。指示面は俺からっきしだから、今は指揮をしっかりやろうってことで……それでちょこちょこ言ってくれる、ドラゴン指揮良かったですよに繋がって行くのかなって。

ガネ:やって良かったと思います?

団長:危うかったけれど、レベルアップに繋がったからね。だって今年、『オリエント急行』の譜読み、もちろん100点ではないかもしれないけれど、あまり苦労しなかったじゃん。合奏進めてて。

ガネ:うん!うん。早かったです、めっちゃ早かった。

団長:奏者として演奏に参加した曲で一番しんどかったのはスターウォーズ。

ガネ:ああ~。

団長:あの、及ばなかった!

ガネ:僕がずっとブチ切れてたやつだ、ステージ上で。ずっと切れてた、リハ中。

団長:過去の定演振り返ると、奏者のどうこうじゃなくて指揮側の責任だけど、惜しい演奏会ばっかだな~って。

ガネ:じゃあねぇ、定期の過去の振り返りとかもありましたけれど、今年の定期演奏会が終わってみて、どうでしょう。どういう感想ですか?

団長:なんで11月休みにしたいって言ってんだろうって思いました。

ガネ:どういうこと?なに?演奏部の話?

団長:このまま(の勢いで)行けばいのにって。

ガネ:ああ、そういうことね?

団長:このまんま……楽しくないの?って。早く次のコンクールレベルの曲やりたいなぁって。

ガネ:……いや、振り返りをして欲しいんですけど(笑)

団長:なははは(笑)振り返りね。

ガネ:どうですか、率直に。

団長:良かったよね~……、小学生みたいな感想だけど。

ガネ:どうですか?例年と違って記念回でしたけど、やってみて。結構自分の想いとかも司会で喋って貰ったりしたんですけど……お客さんの雰囲気も含め。

団長:お客さんの雰囲気良かったよね。

ガネ:うん!

団長:うん、とても良かった。あれだけアンケート書いてもらって、ほぼ好意的なものばかりだった。

ガネ:そもそもアンケート、あんなに書いてくれるのがすごい。札幌のコンサートですらあんなに集まらないから、ありがたいですね。

団長:個人の仕上がりで言うと一組(『吹奏楽団のための第一組曲』)のコントラバスに不満アリです、ごめんなさい。

――んはは(笑)※一組の指揮者

団長:もうちょっと頑張れました。

ガネ:んや、でも、一組楽しかったです。良かったです。

――自分も話しちゃいますけど、ジブリ(『アニメ・メドレー久石譲作品集』)でピッチカートもっと出してとか言ったところとかも、すごい良かったです。

ガネ:奏者としても復帰してきましたね。

団長:アンサンブルがでかいね。

ガネ:あー!

団長:そこに関しても俺のわがままに付き合ってもらってるからありがとうなんだけど。

ガネ:(仮のアンサンブルチーム名が)団長チームって書いてますのもね。

団長:謎の名前だよね。

ガネ:いやでもいいと思います。あの影響はめっちゃデカい。本当にあれで上手になったな~ってすごい思いました。安定した演奏をしてて。

団長:大事だよね。

ガネ:やっぱ演奏することは大事!奏者の気持ちが分かるのが一番手っ取り早いですよね。

団長:曲ごとで言うと第一組曲はもうちょっとできた、って悔しさ。ジブリはそろそろ俺もジブリ振りたい。『アルカザール』はなんか、楽しかったです。コンクールの一週間前がね、あんまり使わない表現だけど病んでたんだよ。

ガネ:ああ、そりゃ病むでしょうね。

団長:『オリエント急行』はホイッスル反省、あとパーカッションいつもありがとう。ロンドンデリーはさっき言った通り。『メリーゴーランド』は逆によく頑張ったな。例年だったら弾けない動きもちゃんと早い段階で弾けるようになって、コントラバスを回す余裕も(笑)

ガネ:ああ、やってましたね(笑)

団長:そこは自分のスキルアップを感じました。

ガネ:だって音じゃない音聞こえなかったもん、今年。練習中からあんまり聞こえなかった。

団長:『Nessun dorma』はね~良かったけどみんなの体力があったらもっとねっとりやりたかった。

ガネ:でも良かったですよね?

団長:うん、よかった。

ガネ:ロンドンデリーのおかげだねって。

団長:それはそう!

ガネ:ああいう曲、GH苦手だったけど出来る兆しが見えましたね。ただ遅い、しっとりじゃなくて、こういう息の使い方とかを多田先生がやってくれたし、好きな曲だからってのもあるから……やっぱ他の曲より気持ちが伝わるっていうか、そうしたいんだろうなってのが伝わりやすかった。

団長:『オーメンズ・オブ・ラブ』はもう、楽しいで。

ガネ:多田先生への気持ちはどうですか?

団長:多田先生……ありがとうございます、しか。俺、人から何か教わるのが苦手だから……納得したり、この人の話なら聞こうってならない限りレッスンも一回限りって可能性だってあったわけだけど、レッスンを受けたいってなったのは多田先生だからだし。N村に通ずるところ?ネガティブな要素をなく人を引き出すの上手い、ああいうところ欲しいなって。

ガネ:光だから、多田先生。まぁ……菅原先生(菅原克弘先生)の系譜なんですよね、N村さんも大元を辿れば、多田先生も。菅原先生も光の人なんで……団長も是非光の系譜の指揮者になってもらって。じゃあ、20年ってことなんでこの先どうしていきたいのか。10年20年考えていかなきゃいけないと思うんですけど、どう考えてますか?今後のGH。

団長:休団者がでるのは全然いい、それこそ結婚だったり、ライフステージが変わって住処が変わりました、練習にはいけないんですけど、この本番には乗りたい。っていう風に、団員が“執着”するバンドにして行きたい。

ガネ:んははははは(笑)それさぁ~~いいの?いいのかなぁ?良くはないよ?(笑)

団長:良くはないよね(笑)

ガネ:でも、岩見沢のバンドなのに札幌の団員が多いっておかしいから。普通じゃないし、みんな場所の移動に合わせて団も変えるの。住んでる一番近いところに行くのが普通なの。みんなそれを変えないって……。もうそれ半分成功してますよ、なんなら。僕だってもっと近くで練習してるバンドあるのにねぇ、岩見沢にきてねぇ。トムさん(※北海道外の団員で毎年定期演奏会に参加するトランペッター)なんておかしいよ。

団長:よく来るよね(笑)

――体調さえよかったら楽器は吹かないけど手伝いに来る!って言ってた道外の団員もいましたからね。つまり、みんなの故郷ってことですよね。“執着”じゃなくて。

ガネ:そうね(笑)帰るべき場所。

団長:(笑)

ガネ:ふるさと、ね。

団長:かつ、新しい人を。地元の学生さんとかね、卒業して地元にいるならここに入りたいって思える団にしたくって、それで今年CS文化祭とか団員の皆さんに強く呼びかけたし、栗沢(くりさわ学舎定期演奏会賛助)の参加も呼びかけてる。魅力発信。

ガネ:魅力発信ね。魅力発信しようと思えるようになってきたってことですよね。

団長:そうだね。より挑戦、発展していきたい。発展の中で苦しいが出ないようにバランスはとりたい……喜んで苦しんで欲しい。

ガネ:なるほどね、ヒーヒー言いながらも楽しくね(笑)

団長:そうね。

ガネ:ちなみに10年後どうなってると思いますか?

団長:新しい血を入れていかないと、年齢的にも皆さんの生活的にも……入れ替えしたいとかではなく輸血したいよね。

ガネ:なるほどね、じゃあ10年後も元気にグリーン・ヒルは演奏してますと。色んな人が増えて。じゃあ、ブログの締めとして……最後の質問です。地域の皆様と団員へ一言いただきたいので、まずは地域の皆様に対して一言お願いします。

団長:皆さんのご協力、ご支援のおかげで毎年大ホールという我々には恵まれた環境で定期演奏会をやらせていただいて、年々、それを聞いていただけるお客様も増えて心より感謝申し上げます。来年以降は支援していただく立場ではなく積極的にお呼びいただいた場面で皆様に楽しみを提供できるよう頑張りますので、どうか…………ご依頼ください。

ガネ:宣伝じゃん(笑)まぁまぁ、これからも末永くよろしくお願いします、と。

――どうぞ、今後とも末永くお付き合いください。

ガネ:では団員の皆さんへ、お願いします。

団長:団員の皆さんには定期演奏会でもブログでも絞り出してるから、本当、漢字に二文字で表現すると“感謝”。ありがとうございます。自分を卑下するわけじゃないんだけど、拙い指揮の中意見をいただいたり、指摘をいただいたりしても私の指揮で吹いていただけることに感謝申し上げます。まだまだこれからも自分自身のレベルアップは続けていきますので、一緒に365日GHの活動を楽しんでいただけるよう頑張ります。

ガネ:……重い(小声)

――クレイジーさが強くなったな。

ガネ:強制感が出た(笑)

団長:編集でいい感じにしといて(笑)

ガネ:……団長、グリーンヒル好きですか?

団長:そうだね!

ガネ:んはは(笑)グリーンヒル大好き!ってことで。はい、締めさせていただきます。


 
 
 

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